企業再生レポート
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2009年10月26日

永続する中小企業とは?再生時の社長の考え方についてその1

ある種、企業再生に取り組まなければならない企業の社長のマインドは、絶望感が蔓延しています。

それも再生スキームがおぼろげながら見えているとまだしも、月末の手形が決済できない、銀行にどうやってリスケジュールのお願いをしようかと言う段階では、自分は世界の不幸を一身で引き受けていると言うようなものではないでしょうか。


しかし、本当は違います

会社を起業し、ほんの数人から始め、その業界の平均的な規模に成長するまでは、その社長にとって「達成感」のほうが「不安感」よりも大きいことと思います。


しかし、その会社がその業界有数の規模や、その地域での大手企業となると、話は別です。
常に大きな不安が付きまとい、その不安を解消するために日々努力し、次々に手を打ち、実際に施策を実行すると言うようなものです。

実際に気持ちの上では、一瞬の「達成感」と99パーセント「不安感」ではないでしょうか。

山登りに例えるなら、登山経験の無い者が、はじめて六甲山(標高900m関西の山でハイキングに向く)に登った時や、夏の富士山や日本のアルプスに登ったときは「不安感」のようなものは、まず考えられません。
しかし、それが冬の富士山なら話は別です。
またこれがチベットの高山や、ヨーロッパのアルプスでは、不安と言うよりは、「命がけ」となります。


私が、申し上げたいのは、企業再生しなければならない事態に陥った場合、本人は地獄の底に落ちた気分でしょうが、実際は登山の途中で転がり落ちて登りはじめまで下がったということです。
また、転がり落ちた原因もすでに明白です。

転がり落ちないように もう一度来た道を登ればいいのです。

たしかにあなたの企業規模が大きいほどやるべき作業は多いのですが、中小零細企業の場合はさほどでもないと言うことです。

例えるなら、高い山に始めて登る「不安感」と、今まで登った山をもう一度登るのとはどちらが不安でしょうか?

そして、今まで登ってきた山があなたの会社です。
なぜ失敗したか解っていますし、もう一度起業時に立ち返って考えればいいのです。

おそらく、企業再生に取り組まなければならない社長は、「もう一度起業時に立ち返って」という意味や手法が理解しがたいかも知れませんが、我々がコンサルティングします。


最後に言いたいのは、未踏峰の山に登るよりも、登った山をもう一度登るほうが「簡単」で「気楽」ということであり、成功確率は、登った山をもう一度登るほうがはるかに高いということです。

企業再生において社長はいかなる時もぶれない「心持」が必要ですがその裏づけとして、登った山をもう一度登るほうが「簡単」で「気楽」という信念があると必要以上に「ビビリ」がなくなり平常心を保てるでしょう。

2009年10月19日

永続する中小企業とは?オリジナリティーその2

前回、オリジナリティーについて矢沢氏の例を引用して書きましたが、今回はもう少し掘り込みたいと思います。

今の経済状況が、もしも右肩上がりならこんな「オリジナリティ」と言うことは、考える必要がありません。
なぜなら、生産にしろ、販売にしろ、企画にしろ、何をとっても一番の会社が勝つからです。

例えば、販売なら一番の販売力、小売店なら一番の品数販売店面積、生産なら文字通り生産高生産コスト、などなど、言ってみれば一昔前の(といっても20年前ぐらいですが)スーパーのダイエーや、百貨店のそごうのようなものです。

右肩上がりの時代は一番大きい者が勝ち、それはどの業界でも同様でした。

しかしこれが逆の右肩下がりの時代になるとその一番大きい者が一番早く絶滅するということです。

その証拠にダイエーもそごうも屋号はあるものの資本や経営陣はまったくの別会社になっています。
ですから、今の時代、中小企業はある意味でチャンスなのです。
答えも実にシンプルです。


* 他社に無い何かがあるかどうか *
全ては上記にかかっています。

ひとつ例を挙げます。
もしもあなたが動物園を経営していると仮定してください。
それは、かなりド田舎の規模も小さく不便なところにある動物園です。
もしもそんな動物園に「双頭の鷹」がいたならどうでしょうか?
世界各国から来園者の大津波となるでしょう。

これは、すこし現実離れしていますが、こんな発想です。

たとえば、パンダと記念撮影できる、コアラを抱っこできる、虎に馬乗りできる、象の鼻と腕相撲できる、こんな発想(人が考えないこと)です。

逆に、牛の乳を搾れる、ウサギを触れる、ヤギにえさを与えられる、こうなると何の驚きも無くどこでもやっていることです。
要は、「ひとのやらないことをやる」であって「人がもっているものを自分ももつ」とは絶対にちがうのです。


「もしもあなたの経営する動物園に「双頭の鷹」がいたなら」をイメージしてください。
勝つキーワードは「他にないもの」「だれもやってないこと」です。

2009年10月12日

永続する中小企業とは?オリジナリティー

昨日、夜遅くにテレビを見ていますと「矢沢永吉」の特集番組をしていまして、私も深夜までついつい見入ってしまいました。


その番組は、「還暦」を迎えた矢沢永吉の東京ドームコンサートのメイキング番組でした。

そして還暦=60歳を迎えた矢沢氏が、そのコンサートのトークで言っていたフレーズの中で気になった一言がありました。

それは、「俺は、日本ではじめての60歳を超えたロックンローラーだ」と言っていたことです。
実際は、もっと高齢のロッカーは、いるでしょうが、あそこまで「現役」のロッカーは、矢沢氏の他はいないのではないででしょうか。

それほど彼の「動きと声」は、「現役」と言うにふさわしいものでした。


結局、私が感じたのは、あれほど「かっこよさ」にこだわった人は、彼をおいて他にないと言うことです。
ですから矢沢氏が「俺は、日本ではじめての60歳を超えたロックンローラーだ」と言っても誰も文句を言わないのではないかと思いました。


さて、前置きが長くなりましたが日本で矢沢永吉は、ただひとりで、彼に似た歌手すらいないということです。

それは彼の道程や生き様の凝縮がそのように感じさすのかも解りませんが、少なくとも似た人もいません。


おそらく、矢沢氏は、頂点と言う意味で似た人がいないということでしょうが、これを中小企業に置き換えると、よくも悪くも、あなたの会社は、あなたの商圏で他社と比べて、似た会社が、有るか無いかということが大変重要なことになります。

わずかでも他社に無い「オリジナリティー」をつくりそれを育てる。「オリジナリティー」と言っても簡単には作れないでしょうが、何らかのサービスや製品、価格等のファクターのなかで、一点でも他社に無い点をつくり、それを増やし育てて行く。そんな積み重ねが生き残る条件です。


高度成長期は、自社よりも優れた会社を「ベンチマーク」し、それをそっくり真似ると言うような戦術もあったかもわかりません。しかし、今は残念ながら「右肩下がり」の時代なのです。

なにより大事なことは「他社に無いものがある」ということです。

解らなくなったら矢沢永吉を思い出してください。
あの歳で結構しんどいと思いますが、彼が普通の60歳だったとしたら、多少歌が良くても東京ドームは満員にはなりません。

あの声、体型、動きを維持するのにどんな努力があるのでしょうか?考えただけでもしんどいですね。

しかし、あなたは、矢沢永吉ではありません。
あなたの商圏で他社と比べて、ちょっとでも「他社に無いもの」を考え、増やし育ててください。もしもそれを消費者が支持したならあなたの会社の発展は「未来永劫」に近づくでしょう。

2009年10月05日

企業再生とは何か?その7

前回までの6回で「肝」=「必須条件」というかたちで、

1,営業利益
2,新会社の設立
3,資金繰り

という3つの肝をお話いたしました。
そして今回は
必須条件4=債権者対策 です。

企業再生の過程で新設法人設立可能で、その新設法人の営業利益が黒字で、資金繰りが回ったとしたら、これはその新設法人が存在可能と言うことです。

しかし、旧会社はおそらく金融機関に対する残債務が多くあることと思います。
今回はその対策方法です。


仮に旧会社(元々の会社)をA社とします。
A社の残債務に相対する残債権をもつ金融機関(銀行)をB銀行とします。
そしてA社の新設会社をa社とします。

まず、B銀行の立場で考えると

@:A社は残債務を完済せよ > A:a社A社の残債務を引き継げ

上記@、AですとB銀行も残債権の取りこぼしがなく大満足です。
しかしこれですと、A社は新設会社のa社を作った意味がありません。
そこでA社は、


A社は残債務を返せません > A社a社に載せ変えたいa社A社の残債務を引き継がない


上記ですとA社は大満足ですがB銀行は許しません。
結局、@Aと は平行線で妥協点がありません。もしもA社が強引にa社に事業を乗せ変えたとしたら、B銀行はどんな報復手段があるのでしょうか?


1、 抵当権、根抵当権を取っている担保不動産の売却依頼→競売申し立て→競売に依る 抵当権の実行
2、 その他A社所有不動産の差し押さえ→競売申し立て→競売に依る回収
3、 A社所有資産の差し押さえ→返済訴訟
4、 A社及びA社の役員に対する債権者破産申し立て
5、 A社への貸し金に対してそれが詐欺行為であったというA社及びA社役員に対する損害賠償訴訟
このようにB銀行の報復手段は1〜5まで可能です。しかし一般的には4、5は大変稀なことです。

このままですとらちが明きませんので、A社は、B銀行と話し合います。いわゆる債権者交渉です。話の流れを以下に示しますと


㋐:B銀行からは「残債務を全額返済せよ」の一本調子です。

㋑:A社は今即時に破産した場合のB銀行への返済(配当)額をB銀行に提示します。

㋒:B銀行への返済(配当)額よりも多い額を事業譲渡対価としてA社の事業をa社に譲渡させてもらいます。

㋓:a社A社に事業譲渡対価を支払い、A社はそれをB銀行に返済します。


結果として、B銀行は、A社が破産したときのB銀行に対する配当○○○万円よりも配当○○○万円+事業譲渡対価△△△万円となり、a社に事業譲渡したほうが、回収金額が多くなることによって合理的経済性の名の下に、A社からa社への事業譲渡が可能となる。


しかし、A社からa社への事業譲渡に関して、以下の大義が必要です。
1、 A社の雇用をできるだけ確保し、失業者を一人でも少なくする社会貢献。
2、 A社の取引先の不渡り、支払い不能をできるだけ回避し、連鎖倒産等を最小限にする社会的貢献。
3、 A社が倒産することによってそのサービス(納品等)が無くなり一般社会への影響がある(例:その地域に一軒しかなく、替わりの無い必要不可欠な店がなくなる)。
4、 債権者にとって最大限の回収となり、債権者がその株主等から損害賠償訴訟を提訴される懸念が無い。
5、 A社の代表取締役若しくは、その一族から私財提供等の最大限の協力があり、役員やその一族が財産隠匿など詐害行為、偏頗弁済等の問題が全く無い。
6、 コンプライアンス(法令順守)において、A社a社、その役員などにおいて、一切問題ない。


上記、1〜6を守った上で、再生の必須条件( 1営業利益 2新設会社設立 3資金繰り)を満たせば必ず企業再生は100パーセント成功します
しかし、大半の場合は、条件面で多くの欠落がありますが、それを補って成功に導くのがターンアラウンダーの腕と言うことになります。

また、実際には、経営者やその家族にとって、5や6が問題となります。
つまり、債権者としては会社や社員を守ってあげる代わりに経営者は、経営責任の意味を含めて私財提供等最大限債権者に債務返済に協力すると言うのが前提です。

「虎は死んでも皮残す」の諺のように本人(虎)は犠牲と成り代りに会社(皮)や社員は残してあげようと言うことです。

何かそう言うことが、経営者として潔いと言うような「美意識」が日本文化の中にはあるかもしれません。いったん失敗したら「死んで償う=表に出てくるな」というような風潮があるのも事実です。


しかし、上記のA社も含めて日本の99パーセント以上は、中小零細企業で、その社長は、多くのリスクを取ながら起業した人々なのです。

先ほどの話で言うとa社の社長は誰ができるのでしょうか?
たまたま、A社の社長が高齢でその子息に事業継承を考えていたとしたらa社の社長を子息にさせるのは千歳一遇の機会かもしれません、しかしそんな場合以外A社の幹部がa社の社長を請け負うでしょうか?

大半の場合はNGです。社長以外リスクを取る人は少なく貴重な存在なのです。

コンプライアンス上、いったん失敗したら「死んで償う=表に出てくるな」ということは、理解できます。しかし、日本の大半が中小零細企業であるなかで、そんな社長を「殺したら=表社会に出られなくしたら」いったい日本経済は、だれが牽引するのでしょうか?

金融機関のサラリーマン社員が、法令を盾に、社長を現実社会から抹殺しようとするのです。

起業経験もない金融機関のサラリーマン社員、つべこべ言われるのは心苦しいことですが、企業再生の局面では、このコンプライアンスの問題と、だれが社長をするのかという現実問題をバランスさすことが実は、真の必須条件かもわかりません。


 

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