企業再生レポート
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2011年02月28日

経営危機のサインとは その1


どの会社の経営者も、資金繰りが楽にまわる間は、
多少PL(損益)がプラスであろうとマイナスであろうと、
危機感を覚えにくいものです。

また、財務担当者(零細規模の会社は総務や経理も兼任している
でしょう)は、資金が豊富にある間は、どの部門よりもヒマで、
おそらく帰社時間も早いと思います。

しかし、資金繰りが苦しく,月末の決済の見込が見通せないとき、
これほど胃の痛む部門は、ありません。
もちろん社長もおなじことですが。

また、資金繰りに苦慮する期間がかなりの間、と言うよりは、
恒常的にこのような状態の場合、
月末の資金繰りの目途がつけば、「ザッツオールライトという
状態」 であると、PLどころではないはずです。

しかし、長年、会社を経営していると、
「世の中全体が不況なんだからしんどくて当たり前」、
「資金が回ればOK」 という感覚に慣らされてきます。


そして、知らぬ間に借入が増えていき、いつの間にか保証協会も
プロパーも目いっぱいで、
「新規に貸してくれるところはないか?」
「何か特別な方法は?」
「リスケジュールを金融機関にお願いするか?」
という状態になります。

またこのような状態の会社がごく一部ではなく、
今ほとんどの会社が、こんな常態か、若しくは経験している
のです。


そして、もっと早く手を打てばよかった後悔しています。
また、社長本人は、その時になってみて、打つべき手は
わかっているし、いつ打てばよかったということもわかっている
筈です。

でもその状態になるまで気づかない、、、、、、、、、、、

なぜでしょうか?


次回に続く


2011年02月21日

企業再生とは何か?その7

前回までの6回で「肝」=「必須条件」というかたちで、

1,営業利益
2,新会社の設立
3,資金繰り

という3つの肝をお話いたしました。


そして今回は
必須条件4=債権者対策 です。

企業再生の過程で
新設法人設立可能で、
その新設法人の営業利益が黒字で、
資金繰りが回ったとしたら、
これは、 「新設法人が存在可能」 と言うことです。 

しかし、旧会社はおそらく金融機関に対する残債務が多くある
ことと思います。

今回はその対策方法です。

仮に、
旧会社(元々の会社)を 『A社』 とします。
A社の残債務に相対する残債権をもつ金融機関(銀行)を
『B銀行』 とします 。

そしてA社の新設会社を 『a社』 とします。

まず、『B銀行の立場』 で考えると
@:A社は残債務を完済せよ > A:a社はA社の残債務を引き継げ

上記@、AですとB銀行も残債権の取りこぼしがなく大満足です。
しかしこれですと、A社は新設会社のa社を作った意味がありません。

そこで『A社』 は、
1:A社は残債務を返せません > 2:A社をa社に載せ変えたいa社は
                        A社の残債務を引き継がない


上記1、2ですとA社は大満足ですがB銀行は許しません。

結局、「@、A」 と 「1、 2」 は平行線で妥協点がありません。

もしもA社が強引にa社に事業を乗せ変えたとしたら、
B銀行はどんな報復手段があるのでしょうか?

1、 抵当権、根抵当権を取っている担保不動産の売却依頼→
   競売申し立て→競売に依る 抵当権の実行
2、 その他A社所有不動産の差し押さえ→競売申し立て→競売に依る回収
3、 A社所有資産の差し押さえ→返済訴訟
4、 A社及びA社の役員に対する債権者破産申し立て
5、 A社への貸し金に対してそれが詐欺行為であったというA社及びA社役員に対する損害賠償訴訟

このようにB銀行の報復手段は1〜5まで可能です。
しかし一般的には4、5は大変稀なことです。


このままですとらちが明きませんので、A社は、B銀行と
話し合います。
いわゆる債権者交渉です。

話の流れを以下に示しますと

㋐:B銀行からは「残債務を全額返済せよ」の一本調子です。

㋑:A社は今即時に破産した場合のB銀行への返済(配当)額を
   B銀行に提示します。

㋒:B銀行への返済(配当)額よりも多い額を事業譲渡対価として
  A社の事業をa社に譲渡させてもらいます。

㋓:a社はA社に事業譲渡対価を支払い、A社はそれをB銀行に
  返済します。

結果として、B銀行は、
A社が破産したときのB銀行に対する配当○○○万円よりも
配当○○○万円+事業譲渡対価△△△万円となり、
a社に事業譲渡したほうが、回収金額が多くなることによって
合理的経済性の名の下に、A社からa社への事業譲渡が可能となる。

しかし、A社からa社への事業譲渡に関して、以下の大義が必要です。

1、 A社の雇用をできるだけ確保し、失業者を一人でも少なくする社会貢献。
2、 A社の取引先の不渡り、支払い不能をできるだけ回避し、連鎖倒産等を最小限にする社会的貢献。
3、 A社が倒産することによってそのサービス(納品等)が無くなり一般社会への影響がある(例:その地域に一軒しかなく、替わりの無い必要不可欠な店がなくなる)。
4、 債権者にとって最大限の回収となり、債権者がその株主等から損害賠償訴訟を提訴される懸念が無い。
5、 A社の代表取締役若しくは、その一族から私財提供等の最大限の協力があり、役員やその一族が財産隠匿など詐害行為、偏頗弁済等の問題が全く無い。
6、 コンプライアンス(法令順守)において、A社、a社、その役員などにおいて、一切問題ない。

上記、1〜6を守った上で、
再生の必須条件( 1営業利益 2新設会社設立 3資金繰り)を満たせば
必ず企業再生は100パーセント成功します。

しかし、大半の場合は、条件面で多くの欠落がありますが、
それを補って成功に導くのがターンアラウンダーの腕と
言うことになります。

また、実際には、経営者やその家族にとって、5や6が問題となります。


つまり、債権者としては会社や社員を守ってあげる代わりに
経営者は、経営責任の意味を含めて私財提供等最大限
債権者に債務返済に協力すると言うのが前提です。

「虎は死んでも皮残す」の諺のように本人(虎)は犠牲と成り代りに
会社(皮)や社員は残してあげようと言うことです。

何かそう言うことが、経営者として潔いと言うような「美意識」が
日本文化の中にはあるかもしれません。
いったん失敗したら「死んで償う=表に出てくるな」というような風潮が
あるのも事実です。

しかし、上記のA社も含めて日本の99パーセント以上は、
中小零細企業で、その社長は、多くのリスクを取ながら
起業した人々なのです。

先ほどの話で言うとa社の社長は誰ができるのでしょうか?

たまたま、A社の社長が高齢でその子息に事業継承を考えていた
としたら、a社の社長を子息にさせるのは千歳一遇の機会かもしれません。
しかしそんな場合以外、A社の幹部がa社の社長を請け負うでしょうか?

大半の場合はNGです。
社長以外リスクを取る人は少なく貴重な存在なのです。


コンプライアンス上、いったん失敗したら「死んで償う=
表に出てくるな」ということは、理解できます。
しかし、日本の大半が中小零細企業であるなかで、
そんな社長を「殺したら=表社会に出られなくしたら」、
いったい日本経済は、だれが牽引するのでしょうか?

金融機関のサラリーマン社員が、法令を盾に、社長を現実社会から
抹殺しようとするのです。

起業経験もない金融機関のサラリーマン社員に、
つべこべ言われるのは心苦しいことですが、
企業再生の局面では、このコンプライアンスの問題と、
だれが社長をするのかという現実問題をバランスさすことが
実は、真の必須条件かもわかりません。


2011年02月14日

企業再生とは何か?その6

借入金なしで資金繰りが成り立つ方法とは?

元来、「会社の資金が余る、足らない」 と言う現象は
なぜ起こるのでしょうか?


まず、その月末の資金残高は、
売上金から原価支払金を引いた金額となり、
月末に給料等の経費を支払った残りです。

月間売上高(月内入金済分)−月間仕入高(月内支払分)−月間経費

この計算式がプラスなら,、新会社は銀行から借入する必要は
なく、極端に言うと資本金も不要と言うことになります。


そんなことがあるものかというご批判があろうかと思いますが、
例をあげてご説明いたしますと、飲食店をイメージしてください。
日々の売上は毎日お店で上がります。
もしもカード支払や、掛売りがなければその月の売上は
必ずその月末には残高としてあるでしょう。

また一方、支払は業者から食材等を買って、最短で、月末に
支払ったとしても、売上から原価を引いた分(粗利益)が残る筈です。
そして、その(粗利益)から経費(給料やその他の経費すべて)を引くと
純利益(税前利益)となります。


余りにも当たり前過ぎて「それがどうなんだ」と怒られそうですが、
これが全てです。

一般的には売上と原価支払とどちらが早いかと言う問題ですが、
おそらく半数以上の業種では、
月間 売上高(月内入金済分)−月間仕入高(月内支払分) 
が、+ではないでしょうか。


もしも、これがマイナスなら、プラスになるようにしなければなりません。


また、企業再生の必須条件の第一番目で申しましたように
営業黒字が絶対の条件ですから
月間売上高−月間仕入高−月間経費は、黒字です。


ただ、資金繰りで考えたときに
月間売上高(月内入金済分)−月間仕入高(月内支払分)−月間経費 が 、
マイナスだとしたら、その分だけプラスに変更できればいいのです。

それができれば銀行に頭を下げ資金を借り入れることなく経営できるのです。


では、マイナスのときどんな手段があるでしょうか?

1、掛売り(売掛金)があるとき・・・・・・
  入金までのサイトを短くなるように交渉します。
  その分の金利等を値引き条件に交渉すればどうでしょうか

2、原価支払が現金のみでサイトが短いとき・・・・・・
  先ほどの逆で支払まで長くなるようにお願いし、
  現金払い(手形でない)である事を強調し、
  末締め翌末払い等の条件になるように交渉します

3、月間売上高(月内入金済分)−月間仕入高(月内支払分)−月間経費 がマイナス・・・
  一般的には新会社の資本金で賄うか、そのマイナス分を
  金策する必要があります。


では、新会社の資本金を集めてもそのマイナス分を補えない
場合は、どうしたらよいのでしょうか?

業種にもよりますが、おそらくその金額は1ヶ月分の月間仕入高
が最大であり、現金売り等を増やして入金のボリュームを多く
するなどの努力をしているなら、一般的にはそのマイナス分は
数日分の仕入原価ぐらいになるでしょう。


これぐらいの足らず分ですと、旧会社との兼ね合いでなんとか
帳尻を合わせられるはずですが、これは社長にしかできない仕事です。


つづく


2011年02月07日

企業再生とは何か? その5


前回までで、企業再生の必須条件を2つ申しました。

そして、次なるハードルは、

必須条件3=資金繰り


企業再生する企業が営業黒字で、自分以外を社長にする
新設会社が設立できたら、あとはその運営上で、
「資金繰りが成り立つかどうか?」です。


昔からの諺で、「帳面合って、金足らず」とか「黒字倒産」とか
申します。

つまり、損益上黒字であっても、
「資金繰り上(キャッシュフロー上) 赤字であれば、経営が成り立たない」
と言うことです。


一般的には、損益上黒字で資金繰り上赤字というケースの場合、
売掛金の回収より買掛金の支払いが早いために起こる資金ショートです。

原因がはっきりして営業黒字であるならば、比較的
金融機関(銀行)で借入することは、難しくないでしょうし、
一般的には短期借入金でまかなおうとするはずです。


しかし、今回は企業再生の局面の話であり、新設会社が
いきなり金融機関から運転資金を調達しようとすると

大体は、銀行の担当者から
「まずは、1期が済んで決算書を見てからにしましょう」
「保全のため担保に差し出していただける不動産はありますか?」
「社長以外の保証人はおいででしょうか?」

以上のような回答がほとんどです。


企業再生の計画を考えるとき
新会社の資金繰りが金融機関等の借入に頼らずとも、
必ず成り立つことが重要であり、かつ必須条件です。

では、金融機関に頼らず資金繰りを成り立たせる方法を
次回お教えいたします。


つづく

 

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