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2015年05月25日

会社を絶対潰さぬ極意とは?「失敗の事業計画」

私は仕事柄、年間何十という事業計画書をみます。
そしてそれらは、その殆どが右肩上がりなのです。
考えると当たり前のことですが、右肩下がりの事業計画は、
事業部門を閉鎖するときや会社を清算するときしか見たことがありません。
言い換えると「成功」のパターンしかシミュレーションがないのです。
つまりオールorナッシングなのです。

そしてそんな計画がスタートすると万一失敗したり、
計画通りでないときにどのタイミングで撤退するかが、
解らずに「時すでに遅し」となるケースが大半なのです。

太平洋戦争のとき日本が最後まで降伏せず、
原爆を投下されてやっと降伏したのと同じです。
米英はシンガポールを侵略されたときマッカーサーが一旦、
撤退し、そのとき「アイシャルリターン」と言ったのは有名な話ですが、
一旦撤退し、勢力を整え再度戦うと言うことが大切です。


おそらく多くの会社の事業計画書には
失敗のときの計画書はないと思います。
また、あったとしても社長の心の中だけではないでしょうか?
これが後々大きな問題になります。
計画通りに進まないときに撤退タイミングを逃してしまい、
手遅れになってやっと気づくというパターンが大半です。


「失敗の事業計画書」は、事業継続には必須なのです。
では、「失敗の事業計画書」とはいかなるものでしょうか?

野球に例えると:
1回から9回までを事業年度や事業期間とします。
9人の選手と決め、打順を決め、投手の継投をきめ、
後は試合中に指示するのですが、
相手チームに何点差をつけられたらどうする
と言うことを考えておくのです。

カジノに例えると:
ブラックジャックをするとき、あまりにもこちらのカードが悪いとき
「サレンダー」と言う手を使います。
これは勝てそうにない手持ちカードのときディーラーに
「サレンダー」と言うと掛けたチップの半分を取られますが、
もう半分は取られずにその勝負を降りられるのです。
一見損に感じますが不利な勝負が半分の損失で降りられるのです。
これを得と思うか損と思うかで大きな開きが出来るのです。


話を元に戻します。
事業計画書で必ず「失敗の事業計画書」を作ります。

具体的には

1、売り上げが計画値を割り込んだ場合のシミュレーション(例:80、60、40%)
2、経費が増加した場合のシミュレーション(例:120、140、160%)
3、原価が増加した場合のシミュレーション(例:120、140、160%)

要するに利益が計画に比べ減少するときに対策を考えておきます。

そして、最も大事なのは、
「いつ どれだけ マイナスだったら どうするか」を
明確に決めておきます。

例えば事業計画期間が1年だったとしたら

「3ヶ月でいくら計画対比マイナスならどうする」
「6ヶ月でいくら計画対比マイナスならどうする」
「9ヶ月でいくら計画対比マイナスならどうする」

と言うように時間とマイナス幅でマトリックスを作成し、
あらかじめ、あらゆる場合の失敗をシミュレーションしておきます。
そして実際に計画がスタートして進行すると
その時々に万一失敗しても、あらかじめその対策は既に持っていながら
余裕を持って対策にあたれます。

これは、場当たり的に対策を講じるのと
あらかじめ対策を持っているのとでは
いざと言う時大きな差となって表れるでしょう。
事業計画には必ず「失敗の事業計画書」も作って下さい。

2015年05月07日

会社を絶対潰さぬ極意とは?「失敗9割、成功1割」

たいていの有名な経営者の講演を聞いたり
記述本を読んだりしますと
「失敗9割、成功1割」のような意味合いの事を言っています。

例えばホンダの創業者である故本田宗一郎は、
町のオートバイ屋から2輪で世界グランプリを制覇し
さらにF1でも勝利しています。
そして現在は世界中でだれでもが知っている自動車メーカーです。

また、かの故松下幸之助翁も電球製作から
世界のパナソニックになりました。

そんな偉人たちや成功を収めた経営者がよく言うフレーズで
「失敗9割、成功1割」=「多くの失敗、ほんのわずかの成功」
と言う意味の事をおっしゃいます。

この発言を真に受けて
「9回失敗しても1回成功すればいいのか」という解釈をすると
大きな誤解になり、会社をいくつ潰してもキリがありません。

この発言の正しい解釈は
「失敗を9回しても潰れないくらいの投資額か、
それをカバーできる他の収益があった」
ということなのです。

また「9回に1回の成功とは10パーセントの成功確率ですが、
このパターンを10回繰り返せば
10回の成功を獲得できる」
と言うことなのです。

上記のことを整理すると、

1.10回のうち9回失敗しても潰れない1回当りの投資金額
2.失敗してもそれをカバーできる本業(収益)がある
3.1割の成功事業を多く積むために新規事業の数と速さを猛烈にこなす

と言うようなことが言えます。

しかし中小零細企業の場合、
それが命取りになる投資パターンになっているのです。

言い換えると、大企業は額的には桁違いの投資金額でも、
年商や規模からの率でいうと案外小さい投資規模なのです。
実は、大企業はけっこう「渋い」のです


パナソニックやソニーが数千億の投資といっても
率で言うとそれほどでもないのです。

皆さんの方がよほど思い切った事業を展開し、
大きな命がけをしているのです。


次回はシュミレーションと事業計画についてお伝えします。

2015年05月01日

社長の経営哲学その3(事業と商売)

直前2回で事業と商売の違いを感覚的に記述しましたが、
もう少し深掘りします。


どの企業の経営者や経営幹部も
新規事業や新年度事業計画を組むときの考え方として、

売り上げ−原価―経費=利益

と言う方程式で考えますが、
それぞれのファクター(売り上げ、原価、経費)で
詰めに詰めて考えます。


つまり、

売り上げ=いつ、どこで、だれが、いくらで、どれだけを

原価=だれから、いくらで、どのくらい、いつ、どのようにして

経費=だれを、いくらで、いつからいつまで、何時間を、どれだけで


と言うように
3つのファクター(売り上げ、原価、経費)だけでも
数字に影響する要因はこのくらいに細分化されます。

3つのファクター(売り上げ、原価、経費)に対し、
5つくらいの因子があり、
条件で言うと5×5×5=125通りの利益があるということになります。

これだけのケースがあると
絶対に利益がピタリと合うということはありえません。
よって、計画上は(掛け目)で調整します。

9掛け(90パーセント)、8掛け(80パーセント)、
7掛け(70パーセント)と言うようなことです。

つまり、中小企業にしても大企業にしても
大なり小なり事業計画の最後の決定は
9掛け、8掛け、7掛けと言うような非常にアバウトなことに
なっているというのが実態でしょう。


このように事業計画を積み上げ方式(掛け算)で
利益を考えるよりも中小企業の場合は、

まず、

1、一ヶ月に○○○万円を儲けられるか?
2、それはいくつの商いで一ヶ月に○○○万円を儲けられるか?
3、だれとだれで一ヶ月に○○○万円を儲けられるか?
4、一年中できるか?若しくは何ヶ月できるか?

というような足元から固める発想も必要です。


私が何を言いたいのかを要約すると、

「社長は、事業計画を積み上げ方式(掛け算)で作っても良いが、
これはあくまでもバーチャルであり
実際にだれがやるのかと言うような足元から固める発想が
必要不可欠である」

と言いたいのです。


よく計画を作るときに、
実際にいない社員の人数をカウントしたり、
出来るか否かわからない社員の実績を予定したり
数字上の「売り上げ−原価―経費=利益」を算出しますが、
たいがい外れます。

結局は、社長が考える「足元から固める発想」の方が
「当たらずも遠からず」ではないでしょうか。
つまり計画とはバーチャルであり、
実際は今あるものしか使えないという事実は曲げられないからです。

 

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