企業再生レポート
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2016年03月24日

債権者対策

再生局面において会社分割という手法を用いるとして
仮に分割旧会社(元の会社)をA社とします。
A社の分割新新設会社をa社とします。
A社に債権をもつ金融機関(銀行) をB銀行とします。

まずB銀行の立場で考えると
A社とa社はB銀行の債務すべてを引き継ぎとなり、
これが実行されればB銀行も債務の取りこぼしがなく大満足です。
しかし、これではA社は分割新設会社のa社を作った意味がありません。

そこでA社は、A社は残債務を返せないし、
a社はA社の残債務を引き継がない、としたいわけです。

もっとも、A a社が共同してB銀行の債務全部をロハにできれば
A社とa社は大満足ですが、B銀行は許しません。

このようなことでは結局平行線をたどるだけで妥協点がありません。
それこそコンプライアンス違反となります。

もしもA社が強引にa社に事業を乗せ換えたとしたら
B銀行はどんな報復手段があるのでしょうか?
@抵当権、担保不動産の売却依頼→競売申し立て
→競売による抵当権の実行
Aその他A社所有不動産の差し押さえ→競売申し立て
→競売による回収
BA社所有資産の差し押さえ→返済訴訟
Ca社およびA社の役員に対する債権者破産申し立て
DA社への貸し金に対してそれが詐欺行為であったという
A社およびA社役員に対する損害賠償訴訟

―このようにB銀行の報復手段は@〜Dまで可能です。

しかし一般的にはC、Dは大変まれなことです。
それは先にも書きましたとおり、
その会社分割がルールに則った物的分割であれば、
そこには法律の限界が働くこともあるからです。


2016年03月14日

事業再生に優れた「会社分割」

「債権者対策」に入る前に
この「会社分割」ということについて触れておきます。

事業再生においては、新会社を設立して事業譲渡を行うか、
あるいは会社分割をするかといった問題に直面します。

少し耳慣れない言葉かもしれませんが、
「会社分割」という手法を紹介します。

会社分割というのは簡単にいいますと
今ある会社から別の会社を切り出すことです。
会社合併は二つ以上の会社を一つにすることですから、
それとは反対の会社設立の方法とお考え下さい。

この会社分割という方法は
新規に会社を設立する場合に比べて
いくつかの優れた点をもっています。
そこを上手に利用すれば
事業の再生はうまく運ぶことになります。

会社分割のすぐれた特性とはおよそ次のようなものです。

@分割事業に関する資産・負債、権利義務の包括的承継可能
A許認可や契約関係、雇用関係の包括的承継が可能
B資産承継に消費税がかからない
C会社分割による設立や増資の登録免許税の税率が軽減される
D不動産取得税が軽減される
などです。

また会社分割では
公告や催告を省略してもいい場合があります

具体的には会社分割を物的分割として
債務が分割新設会社に移転するケースにおいては
会社分割後であっても債権者が分割前と同様に
分割旧会社に請求(重畳的債務引受といいます)できる場合です。

すなわち債権者側からみて
分割の前後において債権の回収可能性が変わらない場合には
公告や催告は必要がありません。
もちろん、いくつかの税制上の問題なども
俎上に載せて検討する必要はありますが
事業再生という局面においては会社分割という方法は
優れた方法であるということです。

2016年03月07日

中小零細企業の再生の必須条件〜資金繰りA

新会社において資金が足りない場合どうしたらよいのでしょうか?

業種にもよりますが、おそらくその足りない資金というのは
一ヶ月分の仕入れ金額の一部でしょうから、
現金売り上げを増やして入金のボリュームを多くするなどの努力をしているなら、
一般的にはそのマイナス分は数日分の仕入れ原価で納まると思います。

これぐらいの不足ですと
旧会社との兼ね合いでなんとか帳尻を合わせられるはずです。
これは社長にしかできない仕事です。


これまでの四つの肝

1.営業利益の確保
2.優位性
3.新会社の設立が可能でかつその社長を引き受ける人がいるか
4.資金繰り

ということで書いてまいりました。

そして次は必須条件5=債権者対策です。

企業再生の過程で新設法人を設立し、
その新設法人の営業利益が黒字で資金繰りが回ったとしたら
これはその新設法人の存続は可能ということです。


しかし、旧会社はおそらく金融機関に対して
残債務が多くあることと思います。
この旧会社に残した金融債務が実はくせ者です。
これが新会社に追いかけてくるようでは、
せっかくの再生案も水泡に帰します。


ところで会社分割という手法をご存じでしょうか。
今や会社分割という言葉は衆知のものとなりつつあります。
しかし、弁護士や司法書士などの法律の専門家でも
具体的にそれをどのように生かすかは意外と知らないものです。


これから述べるのは会社分割を使っての対処対策です。
会社分割という手法は事業の継続性や税金面でも
営業譲渡などに比べて多くの特性を持っております。

 

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