企業再生レポート
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2016年10月31日

「かまどの灰はだれのものか?」その5

中小零細企業の場合、
圧倒的に多いのが
株主、役員共に社長のみ
又は、その家族のみ
と言う構成です。

また、
身内以外の社員で幹部の人が
取締役のメンバーに入っているケースもあると思いますが、
たいていの場合、
幹部としての意識付けの目的であり、
経営責任をどうこうと言うような位置づけではありません。


あくまでも、
社長が幹部社員に経営責任者として、
意識を持ってもらいたいという願望を
反映しているのです。

大きい責任感をもち
取締役となった幹部社員ですとある程度、
社長と取締役となった幹部社員の意識は
共通していると思いますが、
真の意味で経営責任を負担していると
言うことは少ないと思います。

それは
自社が危機的困窮時になると
明白になります。

銀行借り入れの際に、
その取締役となった幹部社員が連帯保証をしているとか、
不動産を担保提供しているか、
と言うような部分で計れるのです。

一般的にはそのようなことは稀であり、
実際に取締役となった幹部社員が
そのような保証等をしている場合、
資金繰りが苦しくなると、
社長とその社員の間で、
大きなトラブルとなります。


また、
その社員は納得してそんな保証等をしていたとしても
その家族や親戚まで納得して、
そんな保証等を提供したでしょうか?

会社が平時のときは、
社長とその幹部の関係も何ら問題もないでしょうが、
いざ危機的困窮時となり、
銀行に借入返済が、できず督促状が、
その取締役となった幹部社員の自宅に届いたとき
その家族内でもトラブルになることは、必至です。


結局、
社長はそううなったとき若しくはそうなる直前に、
取締役となった幹部社員の連帯保証を外すのに
必死になります。

また、
その幹部社員もなんとか保証を外すよう
その家族共々社長に懇願するはずです。


次回に続く

2016年10月25日

「かまどの灰はだれのものか?」その4

いい時は

「会社は社会の公器」

苦しいときは

「かまどの灰はみんなのもの」

といっても

「灰」すらもないという状況での

会社内の雰囲気をお話しましたが、

悲しいかなこれが事実です。


一ヶ月でも給料を遅配すると

何割かの社員は、

転職サイトに登録するでしょうし、

社内のムードはがらっと変わります。

だからといって、

社長は開き直って

社員に「だれが給料はらっているんだ」

という態度になると

そのムードは一気に加速し、

会社は一直線に崩壊に向かうでしょう。

これは、

会社の大小にかかわらず、

上場企業と中小零細企業では

多少の温度差はあれ同じことです。

では、

世の中小零細企業の社長の考え方は

どうすればよいのでしょうか?

何冊もの経営書を読み漁っても

書いてある内容は、似たり寄ったりです。


なぜでしょうか?


それは、

筆者は大方の場合、

成功者であり、

大抵は上場企業やそれに準ずる企業を成しえた方

ばかりだからです。

また、

自己啓発セミナーや、

経営セミナーに行けば行くほど

教科書的な理念が増幅します。


つまり自身の今ある場所とは

大いに乖離してくるという事です。


だれでも松下幸之助氏や、

稲盛和夫氏の本は読んだ事があると思いますし、

またそれに感銘を受けた方も多いでしょう。

しかし、そこに書いてある事は、

いまの自社の立場とはあまりにも乖離しています。

次回に続く

2016年10月21日

「かまどの灰はだれのものか?」その3

カマドの灰がたくさん溜まっているときは、

『その灰さえも社員みんなのもの』

と考えるはずです。

しかし 

『灰がたくさん溜まっている』を

経営的意味合いに置き換えると

「内部留保が溜まっている」

と解釈できます。

これはすなわち余裕がある時のことです。

このような時は何の悩みもなく

『灰さえも社員みんなのもの』

と考えることができます。

しかし、

『カマドの灰が無くなり

隣の家から灰を借りていた

     = (イコール)


債務超過で銀行から借金だらけ』

だったらどうでしょうか?

その

『隣の家から借りた灰=マイナスの灰=借金』

を社員みんなのもの

といって社員が納得するでしょうか?


そのときは、

社長の責任であり

『経営力がない』

『判断できない』

『遊びすぎ』

あげくには・・

『ばか社長』

と言われるのです。

いい時は、

誰もが社長についてくるでしょうし、

会社は公器という理念に

社長も社員も納得し満足するでしょう。

しかし、困窮時もそうでしょうか?

一ヶ月でも給料を払わなかったら、

社員の眼つきは変わります。

また、取引先の噂にもなります。

その取引先に解ってしまうのは、

大方の場合社員が愚痴をこぼしているからです。

もしも

うちの社員はそんな事は無いと思う社長は

一ヶ月給料を払わないという実験を一度試してみてください。

噂が広まる前に

労働基準監督所から呼び出しをもらうかもしれません。


次回に続く


2016年10月12日

「かまどの灰はだれのものか?」その2

どんな経営指南書を読んでも、
「会社は社会の公器あって、
経営者、社員、取引先、顧客、株主と
五方良しのオールウィンの関係でなければならない、
それで無ければ
その会社は存続しない」と書かれています。

これは経営者にとっては
宗教の経典の様なものであって
絶対に逆らってはならないこと
まるで法律であるかのように思っています。

私自身も20数年間
社長として会社を経営してきましたが
やはりそのように考えてきました。

しかし、私も含め、究極的に考えると
中小零細企業の社長さんは、
心の底から本当にそのように思っているでしょうか?


会社の業績が良い時代には、
社長は高級車に乗っていたでしょうし、
ゴルフにもよく行ったでしょう。
また、銀座や大阪の北新地では、
一般社員より、社長の方が多いはずです。

ゴルフにしろクラブにしろ、
もちろん仕事上の接待もあったでしょうが、
それ以外はなかったでしょうか?
また、海外視察も一番多く行ったのは社長です.
もちろん
新しいビジネスモデルの模索とか
外の空気を感じ新しい発想が出来るようにとか、
色々理由はありますが、
プライベートな瞬間は無かったでしょうか?


「一番重大な仕事をしているのは社長であって、
全責任は社長が取るのだから、
待遇は社長が一番よくて当たり前」
という考えは、1パーセントもなかったでしょうか?


みなさんは大半が中小零細企業の社長であって、
公的責任から逃れようの無い
上場企業の社長ではないのです

ここに大きな勘違いがあり、
中途半端な善意が、真実を見逃させます。


次回に続く


2016年10月03日

「かまどの灰はだれのものか?」その1

すこし年長者の方ですと
「かまどの灰まで誰々のもの」
という表現はわかると思いますが、
年齢の若い方ですと
意味不明のフレーズだと思いますので、

若干説明いたしますと・・・・・


昔からの表現で、
独占欲が非常に強く、
すべてのものが自分のものである

と言う様な考え方を非常に強調した表現
として使われてきました。


いまどきカマドといっても聞いた事があるだけで
見た事もない方も多いと思いますが、

カマドとは、
もちろん台所にあったコンロのことで、
下から薪をくべて火をおこし
その上で煮炊きする為のものです。


そのカマドの底に溜まった
「灰まで自分のもの=すべて自分のもの」 
という意味です。
これを経営的な観点で、
表現するとすべては社長のものであり、
会社はすべて社長ものだという意味に使います。


どちらかと言うとあまりいい意味で使うのではなく、
「どあつかましい」とか「どケチ」とか、
とにかく限度を超えた独占欲を表現するときに
例えとして使います。

どんな経営書をめくっても
「かまどの灰まで社長のもの」
という考え方はダメだと書いてあります。

また、仮に多くの社長にアンケートを取ったとしたら、
ほぼ100パーセントの回答は
そんな考え方では社員は育たない、
会社は成長しないと答えるでしょう。

しかし本音で言うと、
中小零細企業の社長さんは
心の底からそう思っているでしょうか?


次回に続く

 

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