企業再生レポート
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2013年08月23日

中小零細企業のコンプライアンス


また“A社”としては“B銀行”了解のもとに新会社の設立を
してやれやれということではなく、別の大義や配慮が
必要となります。


それは社会的要請からくる次のようなものです。

@“A社”の雇用をできるだけ引き継ぎ、
失業者を一人でも少なくする。

A“A社”の取引先の不渡り、支払い不能をできるだけ回避し、
連鎖倒産などを最小限にする。

B“A社”が倒産することによってそのサービス(納品など)
がなくなることでの一般社会への影響を避ける

(例:その地域にA社のようなサービスを提供する店舗は
A社のみであり、代替する店舗がない)。

C“B銀行”がその債権の最大限を回収することで、
他の債権者やその株主らから損害賠償訴訟を提訴される
懸念がないように対処対策を立てる。

D“A社”の代表取締役もしくは、その一族から私財提供など
の最大限の協力があり、役員やその一族が財産隠ぺいなど
詐害行為、偏頗弁済などの問題が全くない。

Eコンプライアンス(法令順守)において、“A社”、“a社”、
その役員などに一切問題がない。


上記@〜Eを守った上で、
再生の必須条件
1 営業利益、
2 新設会社設立、
3 新しい社長のなり手、
4 手資金繰り

を満たせば、 必ず起業再生は100パーセント成功します。


しかし、このように机上で事を想定して事業再生について
触れるのは簡単ですが、実際は知識と経験が必要です。

それは車の運転と同様で、道路交通法や車の機能を理解しても
それだけでは運転に習熟したことにはなりません。


それを補って成功に導くのがターンアラウンダーの腕と
言うことになります。



アドバンスパートナーズ株式会社/アドバンスコンサルティング株式会社
代表 辰岡 泰文

アドバンスパートナーズ(株)/アドバンスコンサルティング(株)
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2013年08月09日

債権者対策2


“A社”としては何とかして事業を残したい。
そのためには新会社を分割し、あるいは設立して、
資産も新会社に移して再生を図りたい。

しかし“B銀行”側からすれば、これまでも債権の
延滞を続けた上に今“A社”が保有している資産の
保全もできないということであれば、“B銀行”の
フラストレーションは高まるばかりです。

このままではらちが明きませんので、“A社”は“B銀行”と
話し合います。

いわゆる債権者交渉です。


話の流れを以下に示しますと

@“B銀行”は「残債務を全額返済せ」の一本調子でくる
ものと思います。
→Aそこで“A社”は今即時に破産した場合の“B銀行”への
返済(配当)額を“B銀行”に提示します。
→Bしかし事業を継続させれば“B銀行”への返済(配当)
額と合わせて事業譲渡対価の額もB銀行に払えること
を説明して“A社”の事業をa社に譲渡させてもらいます。
→Ca社は“A社”に事業譲渡対価を支払い、“A社”はそれを
“B銀行”に返済します。


単純に“A社”の破綻処理をしたとき“B銀行”には配当金のみの
支払いで終わるものが、 会社分割で事業の再生が上手に
運ぶなら、結果として“B銀行”にはこの配当金以外に事業
譲渡の対価も払えることになります。


“B銀行”としては、“a社”に事業譲渡した方が回収金額が多くなる
ということであれば、経済的合理性の下に“A社”A社の会社分割と
それに伴う資産移動、事業の再生を認めてきます。


つまり、“a社”を設立することへの了解が得られやすくなります。



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2013年08月02日

債権者対策


再生局面において「会社分割」という手法を用いるとして、
仮に分割旧会社(元の会社)を “A社” とします。

“A社” の分割新新設会社を “a社” とします。

“A社” に債権をもつ金融機関(銀行)を “B銀行” とします。


まず “B銀行” の立場で考えると、
“A社”と“a社”は“B銀行”の債務すべてを引き継ぎとなり、
これが実行されれば、“B銀行”も債務の取りこぼしが
なく大満足です。

しかし、これでは“A社” は分割新設会社の“a社”を作った
意味がありません。

そこで“A社” は、『A社は残債務を返せない』し、“a社” は
『A社の残債務を引き継がない』としたいわけです。

もっとも、“A社” “a社”が共同して“B銀行”の債務全部をロハに
できれば“A社”と“a社”は大満足ですが、“B銀行”は許しません。

このようなことでは結局平行線をたどるだけで妥協点が
ありません。

それこそコンプライアンス違反となります。


もしも“A社” が強引に“a社” に事業を乗せ換えたとしたら、
“B銀行” はどんな報復手段があるのでしょうか?


@抵当権、担保不動産の売却依頼→競売申し立て→
競売による抵当権の実行
Aその他A社所有不動産の差し押さえ→競売申し立て→
競売による回収
BA社所有資産の差し押さえ→返済訴訟
Ca社およびA社の役員に対する債権者破産申し立て
DA社への貸し金に対してそれが詐欺行為であったという
A社およびA社役員に対する損 害賠償訴訟

―このように “B銀行” の報復手段は@〜Dまで可能です。


しかし一般的にはC、Dは大変まれなことです。


それは先にも書きましたとおり、その会社分割がルールに
則った物的分割であれば、そこには法律の限界が働くことも
あるからです。



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2013年07月24日

事業再生に優れた「会社分割」


「債権者対策」に入る前にこの「会社分割」ということに
ついて触れておきます。

事業再生においては、
「新会社を設立して事業譲渡を行うか」、あるいは、
「会社分割をするか」 といった問題に直面します。


少し耳慣れない言葉かもしれませんが、「会社分割」
という手法を紹介します。

会社分割というのは簡単にいいますと、今ある会社から
別の会社を切り出すことです。

会社合併は二つ以上の会社を一つにすることですから、
それとは反対の会社設立の方法とお考え下さい。

この会社分割という方法は、新規に会社を設立する場合に
比べていくつかの優れた点をもっています。

そこを上手に利用すれば、事業の再生はうまく運ぶことに
なります。


会社分割のすぐれた特性とはおよそ次のようなものです。

@分割事業に関する資産・負債、権利義務の包括的承継可能
A許認可や契約関係、雇用関係の包括的承継が可能
B資産承継に消費税がかからない
C会社分割による設立や増資の登録免許税の税率が軽減される
D不動産取得税が軽減される
―などです。


また会社分割では公告や催告を省略してもいい場合があります。

具体的には会社分割を物的分割として、債務が分割新設会社
に移転するケースにおいては、会社分割後であっても債権者が
分割前と同様に分割旧会社に請求(重畳的債務引受といいます)
できる場合です。

すなわち債権者側からみて分割の前後において債権の回収
可能性が変わらない場合には公告や催告は必要がありません。


もちろん、いくつかの税制上の問題なども俎上に載せて検討
する必要はありますが、事業再生という局面においては、
「会社分割という方法」 は優れた方法であるということです。



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2013年07月19日

中小零細企業の再生の必須条件〜資金繰りA


新会社において資金が足りない場合はどうしたら
よいのでしょうか?

業種にもよりますが、おそらくその足りない資金という
のは一ヶ月分の仕入れ金額の一部でしょうから、現金売り
上げを増やして入金のボリュームを多くするなどの努力を
しているなら、一般的にはそのマイナス分は数日分の仕入れ
原価で納まると思います。

これぐらいの不足ですと、旧会社との兼ね合いでなんとか
帳尻を合わせられるはずです。
これは社長にしかできない仕事です。


これまでの四つの肝、

1.営業利益の確保
2.優位性
3.新会社の設立が可能でかつその社長を引き受ける人がいるか
4.資金繰り

ということで書いてまいりました。


そして次は必須条件5=債権者対策です。

企業再生の過程で新設法人を設立し、その新設法人の営業利益
が黒字で資金繰りが回ったとしたら、これはその新設法人の
存続は可能ということです。


しかし、旧会社はおそらく金融機関に対して残債務が多くある
ことと思います。

この旧会社に残した金融債務が実はくせ者です。

これが新会社に追いかけてくるようでは、せっかくの再生案も
水泡に帰します。

ところで会社分割という手法をご存じでしょうか。

今や会社分割という言葉は衆知のものとなりつつあります。
しかし、弁護士や司法書士などの法律の専門家でも、具体的に
それをどのように生かすかは意外と知らないものです。


これから述べるのは会社分割を使っての対処対策です。

会社分割という手法は、事業の継続性や税金面でも営業譲渡など
に比べて多くの特性を持っております。



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2013年07月12日

中小零細企業の再生の必須条件〜資金繰り


企業再生の必須条件の第一番目で申しましたように
「営業黒字が絶対の条件」です。


営業で黒字が出たとしても、多額の手形を受領
しなければいけないような取引では、それこそ
第2次破綻が起きかねませんから、損益面では
(月間売上高−月間仕入高−月間経費=黒字)
としなければなりません。

ただ、資金繰りで考えたときに
(月間売上の現金収入−月間仕入の現金支払い−
月間経費の現金支払い=赤字) 
だとしたら、それをプラスに変更しなければなりません。


それができれば銀行に頭を下げ、資金を借り入れる
ことなく経営できるのです。


では、マイナスのときどんな手段があるのでしょうか?

@掛け売り(売掛金)があるとき…
 入金までのサイトを短くなるように交渉します。
 回収期間が短くなったのですからその分の金利などの
 支払いを条件に交渉すればどうでしょうか。

A原価支払が現金のみでサイトが短いとき…
 先ほどの逆で支払いまでの期間を長くなるようにお願し、
 現金払い(手形でない)とすること強く申し出て交渉し、
 当月締め分を翌月に決済するのではなく、翌々月以降の
 決済などの条件になるようにします

B(月間売上の現金収入−月間仕入の現金支払い−
 月間経費の現金支払い=赤字)の場合…

 一般的には新会社の資本金でまかなうか、そのマイナス分を
 金策する必要があります。


しかし、この場合が一番大変です。


例えばもらった手形が災いしているのであれば、それを割って
くれる金融機関を探さねばなりません。



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2013年07月05日

中小零細企業の再生必須条件


借入金なしで資金繰りが成り立つ方法とは?

元来、会社の資金が余る、足らないという現象は
なぜ起こるのでしょうか?


まずその月末の資金残高は、売り上げの入金額から
仕入れ金額を引き、更に給料等の経費を支払った残りです。


資金収支が
{月間売上の現金収入-月間仕入れの現金支払い-
月間経費の現金支払い=プラス}
なら、新会社は銀行から借入する必要はなく、極端に
言うと資本金も不要ということになります。


そんなにうまくいくものかとのご批判があろうかと思います。


例を挙げてご説明いたしますと、飲食店をイメージしてください。

日々の売り上げはほとんど現金のはずです。
もしもカード受け取りや、掛け売りがなければ月末には
現金残高があるでしょう。

また、一方支払いは、業者から食材等を買って最短で、
月末に支払ったとしても、売り上げから原価を引いた
(粗利益部分)が残るはずです。

そしてその(粗利益)から経費(給料やその他の経費すべて)を
引くと純利益(税前利益)としてのキャッシュが残ります。


あまりにも当たり前過ぎて「それがどうなんだ」と怒られ
そうですが、これがすべてです。


収支バランスとして売り上げと仕入れなどの決済の期限到来は
いずれが早いかという問題があります。


また半数以上の業種では、
(月間売上の現金収入-月間仕入れの現金支払い-
 月間経費の現金支払い=プラス)
ではないでしょうか。

もしも、これがマイナスなら、プラスになるようにしなければ
なりません。



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2013年06月28日

資金繰りが成り立つか


次なるハードルは、必須条件4=資金繰りです。

@再生する企業の営業利益が出ていて、
A企業としての優位性もあり、
B社長を引き受けてくれる人材がいて、

新設会社が設立できたら、あとはその運営上で、
資金繰りが成り立つかどうかです。


昔からのことわざで、「勘定合って、銭足らず」といいます。

このようなケースではせっかく、新組織ができ上がり、
立派な経営計画を策定しても資金面から二次破綻が起き
かねません。


つまり、損益上は黒字であっても、資金繰り上、すなわち
キャッシュフローが赤字であれば経営が成り立ちません。

一般的には、損益(収入−費用)が黒字で資金繰りが赤字と
いうケースでは、売り上げの回収と仕入れなどの支払いとの
タイミングのずれに起因することです。


経営が順風満帆で継続していて正常な状態にあり営業利益が
黒字ということであるならば、金融機関(銀行)で借入を
起こすことが通常であり、難しい話ではありません。


しかし、今回は企業再生の局面の話です。

新設会社がいきなり金融機関から運転資金を調達しようとすると
大体は、銀行の担当者から
「まずは、一期目の決算書を拝見してからにしましょう」
「担保不動産は?」「社長以外の保証人は?」
と以上のような応答がほとんどで、体よく断られます。

企業再生の計画を考えるとき新会社の資金繰りが金融機関等
の借入に頼らずとも、必ず成り立つことが重要であり、かつ、
必須条件です。

では、金融機関に頼らず資金繰りを成り立たせる方法を次回
お教えいたします。



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2013年06月21日

社長に代わる社長がいるか


そして、次のハードルとして、
必須条件3=新会社の設立が可能で、かつ、
その社長を引き受ける人がいるか、ということです。


企業再生とは、

→従前の企業でも借入などがなければ黒字が確保できる
可能性があり、営業譲渡、会社分割などの手法により
黒字が期待できる事業を分離し、あるいは譲渡する。

→従前の会社の連帯保証人であるから新会社には建前上
かかわれないところから、新会社の社長には信頼の置ける
(裏切られない)人物を社長にする。

→表向きの新会社の社長は自分ではないにしても、
実質的には自分が社長をできる環境を構築する。

このようなイメージで新会社の設立と協力してもらえる
新社長がいるかというのが次のハードルです。


上記に示したように、従前の会社の社長はその会社の連帯
保証人ですから、新会社には、当分の間は一従業員として
かかわることになります。


そんな中で新会社の銀行通帳を作るにしても、新会社の
社長はもろもろの取引に際して印鑑証明や免許証など、個人を
特定できるものが必要になり、新会社の新社長に大きな負担を
かけるのが普通です。


妻子であればまだしも、他人や旧会社の幹部ではなかなか
意思の疎通が難しく、気も使うものです。

それでも第2のハードルとして、
自分の分身として新会社の設立が可能でその社長を受けて
くれる人がいるかどうか? ということになります。

つまり、名目的な社長のなり手を探してこれを社長とし、
当分の間自らは黒子に徹するということです。

以上で、企業再生の必須条件を三つ書き上げました。



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2013年06月13日

中小零細企業再生は営業利益確保


中小零細企業の再生には、
その肝=必須条件1=営業利益が必要です。


まずは、再生すべき中小企業が「赤字体質」であれば
「黒字体質」できるか否かが最大の課題なのです。

当然困窮した企業は多額の銀行借入があり、大きな
支払利息を払っています。


また業暦の長い会社では、古参の幹部など家族同然で
切るに忍びない社員もいることでしょう。

しかし、社長は一度頭の中を空っぽにして考えなくては
なりません。

何を考えるのかというと、
今の自社のビジネスモデルは自分が今から新たに始めたと
仮定して「黒字」にできるのか?

ということです。

冷たいようですが再生しようとしている自社の営業目的が
黒字に転換できないのであれば、それは不可能です。

時代背景がそのビジネスを必要としなくなったのだと思い、
あきらめるよりほかに方法がありません。


再生するためには借金(支払利息、元金返済)はなく、
社員は必要最低限の賃金(最大限のリストラ後の人件費)とし、
経費の大きくかかる資産(自社ビル、工場等)もない。

しかも取引先は従前通りであって、起業したときのように
ゼロからのスタートではないという 「恵まれた状態」を
前提として「黒字」にできるか否か?ということが再生可能
かどうかを分けます。

つまり、現在の惨状から考えて、夢のような理想の経営環境を
イメージしたとき、「黒字」にできる可能性が持てるか否かに
かかってきます。


今の事業にいわゆる市場性が見いだせるなら上記のような
「黒字」をイメージできるでしょう。



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